2025/08/12 12:00

前編では「時間を旅する茶葉たち」の輪郭を少しだけお伝えしましたが、今回はもう少し詳しく掘り下げてみようと思います。
いわば、茶葉たちのプロフィール紹介です。
そう、茶葉にもちゃんと「出身地」「年齢」「生育環境」という背景があるんです(当たり前だろ!)
▼3つの年。3つの時間。
今回のセットに入っている白茶は、次の3つの年に摘まれた茶葉たちです。
2025年(今年)
2018年(7年前)
2010年(15年前)
この3つの年の茶葉、ほとんど同じ条件のもとで育てられました。
同じ農家
同じ畑
同じ茶樹
もちろん、すべて春茶
つまり、異なるのは「時間」だけ。
時間が味わいに与える影響を、条件を揃えることでより純粋に感じられるようにしています。
▼白琳鎮という、ちょっと地味〜な穴場
お茶好きな方なら、福鼎と聞くと「点頭鎮」や「磻渓鎮」、「管陽鎮」などの有名な産地を思い浮かべるかもしれません。
でも今回はあえて、少し外して「白琳鎮」の荒野牡丹王を選びました。
理由はシンプル。
価格とクオリティのバランスが良すぎた。
実は私も最初は、白琳工夫紅茶の産地としての白琳鎮の印象が強くて、白茶?うーん…という感じでした。
しかーーーし!いろいろ試飲してみたら驚きましたよ。
とにかく「美味しい」し、「育つポテンシャルがある!!」
今年2025年の春茶の試飲を何度も繰り返して、気がついたら手元には白琳鎮の荒野牡丹王が残っていました。
なんなら“荒野”にこだわっていたつもりもないのに、です。
▼「荒野牡丹王」って、なんか強そうな名前
ちょっと中二病っぽい名前に見えるかもしれませんが(笑)
ここで言う ”荒野” は、農薬や肥料は勿論、全く人の手を入れず自然のままに放置された茶園のこと。
そこに生きる茶樹たちから摘まれた一芯一葉の牡丹王。これがまた、たくましくて、味わい深い。
そして「牡丹王」は、白茶の中でも特に形の整った、芽と葉がバランスよく並んでいて
華やかな香りと奥行きある甘さが特徴的。熟成させるとその魅力は増幅します。

▼茶葉という名の時間の結晶
前編でもお伝えしましたが、今回のセットは“積んでもノーダメージ”
むしろ積んだ方が楽しい。
時間をかけて茶葉がどんな風に成長していくのか?
その経過を自分の手元で観察することができるのが、白茶の醍醐味です。
次回はいよいよ「後編」です
それぞれの年の茶葉をどう楽しむのか?
なぜ、あの茶葉が3袋入っているのか?
そして、もうひとつのおまけ的存在「磻渓鎮」の茶葉についてもご紹介します。
それでは次回
タイムマシーンに乗る準備はできましたかーーー!?