2024/10/17 19:00

※写真は泣く子も黙る牛欄坑不可思议
このブログは
の続きです
今回、大まかに分けて2分類の武夷岩茶をお届けする事になりました
一つは2023年以前の春茶
そして、もう一つは今年2024年の春茶です
【2023年以前の春茶】
風景名勝区仏国岩産の肉桂
ウイグル産の葡萄を連想する瑞々しさ、弾ける香りと、滑らかで滑り落ちる喉越し。
仕入れる際に、畑別、年代別にいくつか肉桂を試してみたが、店主は肉桂の中でこれが一番の好み。
80年代前半に開拓されたがそのまま放置された奇丹(純種大紅袍)の茶畑を
武夷岩茶ブームに乗っかり、再度茶摘みができるレベルまで持ち直させた畑で育まれた茶葉。
野放農園で育成しているため、茶畑には種から有精繁殖した株も少し混ざっており、純粋な奇丹と言えない為”奇丹多め”と表記している。
ドライイチジク、ドライ杏を連想させる粘着性の高い香りと味わいが特徴。
濃厚で深く、丹田に向かって茶湯が滑り落ちていくような感覚は、上質な鳳凰単叢の足火仕上げの茶葉に通づる。
大抵どこの農家さんの黄観音を飲んでも美味しかった。黄観音は品種としてかなり優秀であると考えます
それで、茶樓雨香が選んだのはフラワリーさが全面に出た黃観音
さらりと羽衣を纏った己を連想させる感覚は、この黃観音だけ
ソフトキャンディーが口の中で蕩けていくような、繊細できめ細やかな味わい。
黄金糖、メープルシロップを連想させる優しく慈悲深い味わいが、店主を一気に水仙の虜にした、個人的に特筆すべき茶葉
水仙は香りもそこまで好みじゃないから、仕入れないだろうな。
と決めつけていた矢先に試飲し、前言撤回した茶葉。

※写真中央の鳥のクチバシのような岩が鷹嘴岩
▼さてさて、お待ちかねの2024年の新茶です
遅いもので9月上旬に焙煎が終わったばっかりの茶葉も多く、国慶節が終わると今年の中国国内の春節商戦に向けて、焙煎師も中国国内の茶商も鼻息が荒くなります
2024年今年の夏の終わりから秋にかけて今年の岩茶の試飲を一通り済ませました
本ブログでは”あえて、焙煎の落ち着いていない茶葉を”明言”して販売する意味”をご紹介できればと思います
日本国内で、焙煎の落ち着いていない茶葉を購入し飲んだことのある人はどれくらいいるのだろうか?
明らかに、これは焙煎がまだ落ち着いていない。と明言して販売するお茶屋さんはこれまでにあったのだろうか?
そう考えている内に、これは敢えて”焙煎がまだ落ち着いていない茶葉です”と明言して販売したほうが
日本の中国茶ファンにとって学びとしての経験になるのではないか?と考えるようになりました
▼どうして今、2024年春の茶葉を販売するのか?
1)これが焙煎の落ち着いていない岩茶である。という認識と経験が飲み手の記憶に刻まれる
2)この経験を踏まえると、今後の岩茶の評価軸が増えてより一層、岩茶の世界を楽しむことができる
3)焙煎が落ち着いていない茶葉は、通常あまり販売されていない。恐らくこれまでの岩茶の売り方は
”焙煎が落ち着いていない事=ネガティブな要因” であったと考えられる。
なので、あえてそれは謳わない。でもそれ(焙煎が落ち着いていない茶葉である)を明言することで、飲み手に対して認識と経験が蓄積され、それが茶人としての財産になると考える
4)実際に試飲してみて、焙煎が落ち着いていない茶葉で、これはまだまだ落ち着かせたほうが良いな・・・と考えた茶葉も多くあったが
今回の2種は焙煎が落ち着いていないけれども、しっかり美味しい茶葉を選んだ。中国茶ファンの皆さまから大切なお金を頂いて茶葉を届けるので、美味しい茶葉であることは。当たり前。
5)焙煎が落ち着いてしまうと、この味わいをもう体験することはできない。なので今販売したい。
といった理由が挙げられます
馬頭岩の真下に畑が広がる磊石精舎。
現地で馬頭岩産の茶葉のヒアリングをしていくと、茶商レベルで馬頭岩産の茶葉の人気にあやかりどんどん馬頭岩産を謳う畑のエリアが拡大しているそうで
その理屈は、馬頭岩の隣の畑だから、大体馬頭岩と一緒なので隣の畑も馬頭岩と謳っちゃえ。的な、なんとも中国らしい解釈。
しかし、この肉桂の畑がある磊石精舎は、馬頭岩のコアとなるエリア。
味わいは、馬頭岩特有のスパイシーさと芳醇な果香が混ざり合い、去年発売した走馬楼金賞肉桂と比べてもそれ以上のクオリティ。
店主は圧倒的にこちらのほうが好みです。
嗚呼、良い肉桂飲んでる。と実感できる茶葉
焙煎が落ち着いていない茶葉なので、逆に今しかこのスパイシーで喉をクッと鷲掴みされる感覚を体験できないので、お手元に届いたらすぐに開封して召し上がって頂きたい
こちらの茶葉は焙煎が落ち着いた頃に、もう一度仕入れる予定です
皆さまには釈迦に説法になりそうですが
「香不过肉桂,醇不过水仙」〜香りで肉桂の右に出るものはなく、味で水仙の右に出るものはない。と言われております
確かに、肉桂は香りの派手さや余韻の強さを実感しやすいし、水仙は飲み心地や、朧(おぼろ)げな輪郭の味わいを楽しめる茶葉が多いです。
しかし、中国で様々な水仙を飲んでみると
”あれ?これ明らかに花香がするぞ”といった茶葉に出会うことがありました。
水仙だって香りを強調してもいいじゃない。という事で、この観音岩花香老叢水仙を選びました。
2024年の春茶で、最後の焙煎は9月上旬。
9月中旬のまだまだ焙煎が落ち着いていない茶葉で実際に飲んでみると、浮足立った火の香りと一緒に花香がさざ波のように呼吸と合わせて上半身を襲います。
これはこれで、アリでしょ!という事でフライング販売決定した茶葉です。
もしかすると焙煎が落ち着いた頃にこの茶葉を飲むと、あの焙煎と花香の絶妙なハーモニー(バランス)は無くなってしまうかもしれない。
飴色に輝く茶湯は見た目通りの明るい香りと味わいです。老叢水仙らしい、口の中でキャンディーが溶けるような味わいも健在です
追記:試飲の際に”おお!これは良いぞ!”唸った茶葉がたまたま、樹齢60年以上の老叢から育まれた茶葉でした。正直申し上げると、岩茶の美味しさと樹齢は比例しないと考えていたので、少し驚いた記憶があります。
こちらも、焙煎が落ち着いた頃に、もう一度仕入れる予定です
▼最後の最後に、茶樓雨香が正岩茶取り扱うってよ記念スペシャルプレゼント企画
この長いブログ3部作を最後まで読んてくれて有難うございます。
最後に、プレゼント情報をお知らせします。
フフフ、最後に一番良い情報を取っておいたのだ!
限定10セット
毎月発売するお得な茶葉セットに今回は、あの!大紅袍(or 斗茶)蓋碗をお付けします!!!

早いものがちです。
見た目もかっこよくないし、可愛くもない、磁器自体も薄くはない。
だけど欲しいですよね?
あぁ、これがブランド力のなせる技。
私も、個人用として茶樓で使ってますwいいでしょ〜w
こちらがいつものお得セットです
販売開始は18日(金)21:00〜