2025/10/24 12:15

皆さん、積み茶してますかーーーー?!
そうですね……はい、私もしています。
お茶を愛すれば愛すほど、気がづけば積み茶が増えていく…
そしてそれを、ちょっとだけ「いけないこと」と感じてしまう方もいるかもしれません。
でも本当に、積み茶は“罪”でしょうか?
お茶を販売する者として
皆さんに“積み茶”をさせてしまっていることへの小さな罪悪感を抱えながら、私はずっとこの問いに向き合ってきました(真顔)
7月に販売した《時間を旅する白茶セット》では、
「積む」ことで熟成が進む白茶の面白さをお伝えしました。
そして今回は——
鳳凰単叢の積み茶 について、お話ししたいと思います。

写真:茶樓雨香 店主のエグい量の積み茶
▼鳳凰単叢と、積み茶という行為
お茶には、いろんな楽しみ方があります。
季節の移ろいに合わせて茶を変え、
一年をお茶と共に巡る人。
お気に入りの一種を掘り下げ、
長い時間をかけてそのお茶を飲み続ける人。
気分や天気、誰と一緒に飲むか?でお茶を選ぶ人。
どれも正しく、どれも美しい。
そして、SNSのおかげで私たちはそれぞれの「お茶時間」を
そっと覗かせてもらえるようになりました。
湯気の向こうにある暮らしの断片は、何よりも尊いものであると私は考えます。
茶樓雨香も、これまで多様なお茶を紹介してきました。
日常で気軽に飲めるお茶
特別な日に封を切ってほしいお茶
そしてちょっとしたご褒美のようなお茶。
茶樓雨香がオープンしてからもうすぐ4年。
中国茶をどうすれば一番美味しく、そして気持ちよく楽しんでもらえるか?
その答えを探しながら、販売の形も試行錯誤を重ねてきました。
そして今では、小袋(鳳凰単叢なら7g)を中心に販売しています。
これは「鮮度を保ちながら、一回で飲み切れる量」であるという考えに落ち着いたからです

▼大容量の鳳凰単叢の販売をお断りした経緯
しかーーーーし!!!
今年の春、鳳凰単叢の新茶を販売した際
本当に多くの方から「大容量で販売してほしい」というお声をいただきました。
それでも私は——
すべてお断りしました。
ん?売上が上がるのに?
お客様の希望にも応えられるのに?
それでも首を縦に振れなかった理由はただ一つ。
“品質のデッドラインが一年以内にあるお茶”を、大量に売りたくなかったから。
春先の鳳凰単叢は軽焙煎(軽火)。
この軽火は、火入れが浅く思ったよりも水分を多く含みます。
つまり、美味しく楽しめる期間はおおよそ一年。
一年が過ぎると、
「あれ? こんな味だったかな?」と感じることが出てきます。
もちろん、「それでも好き」と思えるなら、それも良い。
けれど多くの人にとっては、劣化と感じる変化です。
そして私は思うのです。
せっかく買った大袋の茶葉を、“飲み切らなきゃ”という焦りとともに味わうなんて、ちょっと心苦しい。
だから、茶樓雨香は “プレッシャーになるお茶は売らない” と決めたのです。
