2025/08/31 16:57

年に一度の福建省祭りがやってくる・・・
9月2日21時、2025年産春茶の武夷岩茶、販売開始します
茶樓雨香の店主として、今年もまた武夷山と真正面から向き合ってきました。
そう、お忍びを含めると今年は春茶のシーズンから述べ3回も武夷山に足を運んでいます。
それ、行き過ぎ何じゃないの?!と関係者からツッコミが入りそうですね。
そして、現地に行ったからといって全てが解決したり、岩茶の全てを理解出来たとは毛頭考えておりませんが
『今シーズンにこんなに武夷山の茶農家さんや茶師さんと膝と膝を突き合わせながら、そして一緒に労働しながらお茶を仕入れてきたバイヤーはいないのでは?』とは考えていたりもします。
▼それも全ては、日本のお茶ファンへ2025年の武夷岩茶をお届けするため
そこまで、やってるんだから、現地でしか触れられない情報を踏まえ有料級の情報をお届けしたいなと考えるようになりまして・・・
有料級というと大げさに聞こえるかもしれませんが、日本の武夷岩茶ファンの期待に応えれるように
今年の武夷山の動きを、レポートな感じでお届けしたいと思います‼️
押忍‼️
▼春、谷雨のあと山が動き出す。2025年の武夷山は「遅れてやって来る美味しさ」を抱えていた
2025年の武夷山は、春の立ち上がりが例年より遅く、採摘のピークが4月25日前後から5月初旬にずれ込みました。
黄観音など主要品種の多くが4月下旬~5月に採摘が集中したという現地観察および複数の農家さんから報告を受けており
前半は低温・降雨の影響で芽の成熟が遅れ
後半にかけて香味が整っていく”二段階の春茶”になったことがうかがえます
武夷山市は4月中旬に「開山採茶」イベントで春の開採を宣言。谷雨(4月20日頃)を境に本格的な採摘と製茶が加速し、茶旅・観光コンテンツとも連動して春茶需要を喚起しました。武夷山市新闻网①CCTV News②
産地は文化と経済の両輪で春を演出(?)し、地元の活気が春茶の売れ行きを後押ししている・・・と見られましたが‼️
私なりに自分で集めた情報を読み解くと
シーズンの前半の茶葉はのクオリティは低く
シーズンの後半は生茶(茶精)のクオリティは盛り返した
※だけど茶摘みが集中したおかげで、ハイプレッシャーな製茶環境になった
といった具合です。
商品を売るために販売店や中国都市部の茶商は、ネガティブな情報は極力発信しないと思いますが
ここは武夷山に向き合った1人のお茶好きとして、等身大の情報をお届けしたいと考えています
今年の茶葉は良いと言えば良いが、出来の悪いのだって普通にある
仕入れルートを複数持っていない限り、この状況は打破出来ない・・・
※こんな状況なので今年は良いお茶を仕入れるために春先から3回も武夷山へ足を運んだ訳です。

▼そして、2025年の武夷山には新たな『試練』も待ち受けていた
一方で、中国国内のライブ配信の販売現場では『核心産区の正岩純料』などの誇大表示が問題化し、武夷山市の監管当局が2025年4月に介入。Sina财经③
真贋・産地表記の厳格化機運が高まっています。
中国国内の消費者の視線は『俺が買った牛蘭坑肉桂は一箱◯◯元だ!どうだ!すごいでしょ!』とか『これが◯◯洞 百年老叢水仙!』のような成金趣味から『どこで摘まれ、どう作られ、何を根拠に正岩と語るのか』へ少しずつ興味が移りだしてきた印象です。
※まぁ、本当に少しずつですけどね・・・
トレーサビリティと誠実な情報開示が、これまで以上に信頼と購買の条件になっていると捉える事もでき
我々、茶樓雨香にとってはこの状況が追い風になるように
情報発信や仕入先と中国茶ファンとの信頼構築していきたいと強く考えるキッカケにもなりました。
▼正岩とは何か。2025年の気候が教えてくれた「岩と地勢」の積分
正岩とは何か。
簡潔に言えば、武夷山風景区の特殊な岩体・谷地形・風の通り道・排水条件など『岩と地勢」の積分』が、茶に特有の骨格と香りの奥行きを与えるという考え方です(あってるかな?汗)
気象の揺らぎはその微妙な均衡に作用します。
閩北烏龍茶の学術レビュー(福建农业学报-茶叶学报)でも、降水・気温・湿度・日照が香味形成の鍵変数であり、とりわけ肉桂は気象感応が大きいことが示されています。
※すみません、出典を改めて探しましたがちょっと見つけられず・・・
2025年のような低温・多湿寄りの春は
前半ロットで成熟不足→香気弱・青み・渋苦のリスク
後半ロットで成熟回復→透明感と余韻の復権というパターンを生みやすい
と考えられます。

▼補助線として見えてきた、2025年春の体感
補助線として、同時期の広域気候のイメージを共有します。
台湾・阿里山の2025年春は1~3月の雨量が戻り、低温推移で前半は成熟不足、4月下旬~5月上旬に成熟が整うというレポートが上がっています。
地域は異なれど、『雨量回復×低温→前半成熟不足→後半改善』という流れは、2025年春の体感を理解するヒントになりそうです。
※台湾も武夷山に近いし、似たような傾向なのかな?と台湾に想いを馳せながら9月中旬の台湾出張が待ち遠しいです

▼茶樓雨香は、この「今年らしさ」を正面から語る
茶樓雨香は、この『今年らしさ』を正面から語ります。
名峰の地勢(馬頭岩・佛国岩・蓮花峰・金交椅・水簾洞)と中火焙煎の層次を、2025年の気候曲線に重ねて一杯の中に立ち上げる
しかも、ちゃんと私が責任を持ってクオリティと透明性を保証します
これは規制の強化やライブECの混乱を受け、私たちが選んだ当たり前のスタンダードです
▼明日、後編で全てを語ります
9月2日21時のカートオープンまで、あと2日。
明日の後編では、実際に仕入れてきた2025年産武夷岩茶の詳細をお伝えします。
馬頭岩の肉桂がどのような表情を見せてくれるのか、佛国岩の水仙がどのような深みを湛えているのか、そして今年の『遅れてやって来る美味しさ』がどのような体験として皆さまの茶杯に注がれるのか?
愛すべき日本の岩茶ファンよ!
明日の後編も読んでみてね〜!