2024/07/23 20:38
※潮州の砂鍋粥屋の老板(オーナー)がいれてくれた鳳凰単叢 茶頭。茶壺も鳳凰単叢用にバキバキに育っている
旅行や出張の醍醐味は旅先で食べるご当地料理
ご当地料理店を巡るのは、ものぐさ&飽きっぽく仕事しかやることがない私にとって唯一の”趣味”と言えるでしょう
そして鳳凰単叢の故郷(ふるさと)である潮州は私が考える中国一のグルメの都
※同率1位でマカオ
毎回仕事で潮州を訪れるのですが、潮州に行く前日から”明日は何食べようかな〜?”と胸の高鳴りが止まりません。
もちろん、初めて行くお店もあれば、毎回必ず行くお店もあります。
その行く先々のお店で食事を済ませた後に、私は店員やそのお店のオーナーに声をかけます。
料理の感想を言ったり、感謝を伝えたり、時にはビジネスの話もしたりします。
彼らと話をすると決まって、最初に振る舞われるのが鳳凰単叢 茶頭。
茶葉袋から素手でガサッと茶葉を掌いっぱいに掴み、蓋碗に放り投げます。
熱湯を注ぐと蓋碗の蓋が閉まりきれない程パンパンに茶葉が膨らみ、あきらかに熱々の蓋碗を慣れた手つきで手際よく3つの茶杯にキッチリお茶を注ぎます。
潮州のおっさんの蓋碗捌き、生で見ると痺れるくらいかっこいいですよ。
▼改めまして鳳凰単叢 茶頭とは?
大雑把に説明すると、鳳凰単叢の良品を出荷する前に検品で弾かれた茶葉です
茎や大きめの葉、割れてしまった茶葉の総称を茶頭と呼びます
明らかに良品ではないので格安で取引され、街なかの飲食店やホテル用のティーバッグの原料として大量に消費され
中には、そこまで美味しくない鳳凰単叢 茶頭もあるけれども、ちゃんと選べばちゃんと美味しいのが鳳凰単叢 茶頭。
煎はきかないけれども日常で鳳凰単叢を楽しんだり”ながら飲み”するには最適の鳳凰単叢であると筆者は考えます。
▼中国茶ファンが求めているものを
我々、茶樓雨香は去年から全国様々なお茶関連のイベントに参加しております
そして、毎回聞かれるのが
”今年は鳳凰単叢の茶頭は出さないのですか?”
実際に私にそう聞いた方もこのブログの読者にいることでしょう。
その方に是非、聞いてみたい
あなたが ”今年は鳳凰単叢の茶頭は出さないのですか?” と私に聞いたとき、私はどんな表情でしたか?
恐らく”微妙な感じの表情” だったと想像できます
何故なら、ずっと鳳凰単叢の茶頭を販売するかどうか?かなり迷っていたからです。
※理由は次のブログで明かします
でも、私は決めました
今年も中国茶ファンに喜ばれるお茶を提供します
8月25日(木) 21:00に 鳳凰単叢 茶頭 の販売を開始します
▼何故に鳳凰単叢 茶頭なのか?
これは半分以上私のノスタルジーな情緒が交錯しているので、そこを考慮して以下の文章を読んでみてください。
いつも、旅の思い出は茶館で飲むお茶よりも、思いがけない場所で振る舞われたお茶の方が印象的。
美しい茶芸事よりも、おじさんが笑顔で茶袋の中なら茶葉を文字通り”鷲掴み”し
慣れた手つきで雑にいれてくれた鳳凰単叢 茶頭もそれはそれでかなり美味しいし、感動があります
日本に戻ってからも、熱々の茶頭をズズズと啜り、目を閉じるといつも潮州の街角の風景が時空を超えて瞼の裏に蘇ってきます。
このテキトーな感じ、このゆるい感じ、この脱力な感じ
まさしく 鳳凰単叢 茶頭フロー状態
▼ここで、色々茶葉に関する質問するのはナンセンスだ
この鳳凰単叢 茶頭を一口啜ると
鳳凰単叢 茶頭を振る舞ってくれるローカル食堂のおじさんに
これ茶葉は何グラムいれるの?とか蓋碗の容量は?とか香型は?なんて聞くのはナンセンスであると一発で理解できると思います。
『これは考える茶葉ではない、感じる茶葉である』事を