2024/07/12 09:51
このブログは 2024年鳳凰単叢の新茶お茶会ツアーの最終日の前夜 の続きです
それでは、改めまして”2024年鳳凰単叢の新茶お茶会ツアー”でご用意した茶葉の一部をご紹介いたします。
▼先ず!いきなり!!!テーマとかけ離れた茶葉のご紹介です。
2024年の新茶を仕入れに行ったのに衝撃すぎて仕入れてしまった去年の足火(炭焙煎三回)の茶葉
以前、Xで地元潮州の方々は一年寝かせた足火の鳳凰単叢を好んで飲む。と投稿した事があります。
そう、去年の春茶の足火(炭焙煎三回)のご紹介です。
2024年6月に鳳凰山を訪れ新茶の試飲で浴びるようにお茶を飲み、ほぼほぼ仕入れのラインナップを固めた最後の最後。
茶農家の林さんが
『日本の中国茶ファンが新茶を好む事は十分わかっているけど、これを試してみてほしい』と
お腹タプタプ状態で試飲し、仕入れを決めた茶葉です。
新茶をどんどん日本の中国茶ファンへ紹介する、当たり前ですが新茶だから良いとは限らない。
今、美味しい茶葉を仕入れてタイムリーに日本の中国茶ファンへお届けするのが我々の使命。
この基本姿勢に立ち返り、この茶葉をお届けします。
推定樹齢40年
透明感のある花の香り、まるでジャスミンの生花
口の中でそしてずっと香る。
香りの耐久性が極めて高く、これぞ貢香。
煎を進めていくと両肩と背中にのしかかるように強くなる余韻
茶湯はさらりとしているが、けして薄くなく細かい香りの粒が詰まっている印象
少し時間を置いて茶湯を冷ましてみるとより香りが明確になり”香り重視”の鳳凰単叢ファンにお届けしたい茶葉です
▼冷やしそうめんに冷やし中華、かき氷にアイスクリーム。疲れた胃腸へ届けたい鳳凰単叢
貢香は茶葉単体の存在感があって、それだけでストーリーが成立する茶葉。しかし
そうじゃない、鳳凰単叢があってもいいじゃない。
今年の春茶の鳳凰単叢の中で派手さ部門のチャンピオン
煎の前半は瑞々しくフラワリー
中盤以降、山桃、桑の実、洋梨と変化を感じ取れる茶葉で
夏場の夕食の後に楽しんでほしい鳳凰単叢です。
冷たい食事ばかりをしていればやっぱり胃腸も疲れます。
何を隠そう、私も夏の主食はかき氷になりがちなな極端な食生活を送っているので
夏に食べる冷えた食事の後に飲んでほしい鳳凰単叢を選んでみました。
▼元々、単株シリーズとして販売したかった茶葉ですが、この茶葉は夏にお届けしたい!と唯一私が譲らなかった鳳凰単叢の単株です。
推定樹齢が100年をこえる古樹
単株とは一本の優秀な鳳凰単叢のチャノ木から摘まれた茶葉のみを使っている高級茶葉
できるだけ安く仕入れるために、特に人気のある木や有名な香型の単株は事前に予約を入れたりしないといけない茶葉です。
茶商さんを通して購入すると、より仕入れ単価が高価になるため日本の中国茶ファンへ届ける時には
それなりの価格になってしまう茶葉でもあります。
この”古樹 姜花香 二代目 単株 中坪”は以前から私が狙っていた茶葉なので単株の割には価格を抑えて仕入れることができました
姜花のイメージとは逆で、ゆっくりとした甘さが特徴的。
空気を多めに含みながら啜るとマンゴスチン。反対に普通に飲むとほのかに香るスミレを連想
一煎目はミルキーさを伴う若いパイナップル、柑橘ピールのほどよい爽やかさ
三煎目以降から立ち上がるクリアで優しく香る茶湯は今年の春に福建省莆田市で食べた白枇杷を連想させます
梨のように、インパクトは無いけど美味しいフルーツ。そして後味はさっぱりとしたゴールデンキウイ。
煎持ちもよく、香りよりも上品な甘さが続いていきます。柔らかい印象が故、ずっと飲める
飲んだ後は口の中がスーッと爽快感が支配し、口で呼吸をすると冷たい息が心地よい鳳凰単叢です
▼新たな概念”蘭花幽香”を知った茶葉
前回のブログでもご紹介しました”蘭花幽香”
今回のお茶会ツアーでも、かなり人気で在庫が薄いのが唯一の欠点・・・
1〜3煎目までは優しく甘い味わいで確かに香りは地味。
しかし、4〜5煎目に入ると、後頭部(もしくは背後)から香りが漂ってくる不思議な感覚に陥ります。
明確な香りは存在しないけれども、まるで幽霊のように掴み所がない香りの正体である”蘭花幽香”
これまで飲んできた鳳凰単叢の味わいと一味違う。
香りの源が己の口や胃袋の中ではなく、香りに纏われる不思議な感覚。回甘や余韻とは少し違った新しい感覚。
一言で表すと
余韻を纏う鳳凰単叢
山韻が強いが故、この幽香が現れる。
お茶請けやスイーツに手を付けず、一気に5煎くらい飲み続けてみてほしい鳳凰単叢です。
今回もお得な 新茶のお茶会で披露した鳳凰単叢お家で飲み比べセット をご用意しておりますので全部気になる方はこちらをどうぞ