2024/07/10 17:49
このブログは 安渓鉄観音の新叢の春茶について、産地を訪れて見えてきた課題。の続きです
※写真は安渓にある中国茶都にある試飲スタンド。リーズナブルな安渓鉄観音が多くがぶ飲み用の茶葉がメイン。
▼情に流されて茶葉を仕入れるの?
やっぱり、気持ちよく商売がしたい。
日本の顧客さまともそうですが、もちろん仕入先(我々の場合は茶農家さん)とも気持ちよく商売がしたい。
たまには『これ仕入れてくれよ〜』と農家さんに言われて仕入れた茶葉もあったりします。
そんな茶葉は大抵お店の賄い茶葉BOXに保管されてお客さまの手元に届くことはほぼない。
私がある意味妥協し農家さんの推す、この目の前にある新叢の茶葉を仕入れ茶樓雨香の商品として日本で販売したとします。
当たり前のことですが、最終的にお金を支払い買ってくれるのは日本のお客さまです。
”やっぱり、己の情緒にまかせて仕入れをするべきではない。”
そうこう考えているうちに、この安渓鉄観音を仕入れるかどうか理由がわからなくなってしまい
『もう一回考えさせて』と言葉を残しホテルに戻ることになります。
帰り際に『去年の秋茶のサンプルもあるよ』とご婦人に言われ、冷凍庫でカチコチになった秋茶のサンプルを託されました、そして先ほど試飲した新叢の春茶も3種類のサンプルも念の為持って帰ることにしました。
※さすが安渓、私が泊まった安宿でもデカめの茶池が常備されています。
▼改めてホテルでの試飲。あれ?なんか違う
私が、即決で新叢の春茶を仕入れなかった理由。それは茶湯に違和感をおぼえてしまったからです。
鉱物っぽさというか、硬水のミネラルウォーターを飲んだ時に感じる喉への引っ掛かり。そして、のっぺらとした香りの単調さ。
食事とシャワーを済ませ、ホテルに常備されている人民のガソリン”農夫山泉”(中国人民から愛されているミネラルウォーター)で改めて新叢の春茶と秋茶を同時にいれてみます。
先に秋茶の試飲から ”やっぱり秋茶は香りが鮮明でいいね〜” 解りやすく美味しい。沢山の人から指示される理由があるわけです。と妙に納得します。
そして改めて新叢の春茶を啜ります。
”あれ?”
めちゃくちゃ美味しい。蘭花香も十分華やかで、気になっていた喉越しの違和感もまったくない。
つまり農家さんの家で飲んだ味わいとぜんぜん違う。
数秒考えて一つの仮説が頭をよぎります。
”これは水じゃないか?”
急いで部屋を出て”農夫山泉”と他のミネラルウォーターを買い込んでタクシーに乗って農家さんの家へ急行します。
事情を説明し、先ほど試飲した時に使った水はどんな水なのか?聞いてみると
水道水をそのまま使っているとの事。
しかも雨が降ると、水道の水が臭くなるそうで本日2回目の ”早く言ってよ〜” 案件発動。
年のために水道水と農夫山泉で同じ茶葉を試してみると農夫山泉がレベチでうまい!!
これだったら安心して、日本の中国茶ファンへ胸をはって新叢の安渓鉄観音を紹介できる!!!!
おっしゃーーー!!!!
▼という事で選びに選んだ2種の新叢の安渓鉄観音をご紹介します。
これぞ、新叢の味わいと香り。
爆発系の蘭花香は、新叢じゃないと出せないパワフルさで、新叢の良い部分を体現した茶葉でもあります。
このロットがあまりにもインパクトが強かったので、この木の秋茶も絶対仕入れるから!と先に手付金を支払ってしまうほどの感動がありました。
ミルキーなニュアンスが魅力的な茶葉でモワっとした(国語1の語彙力)春茶らしい味わいがわかり易い茶葉
二煎目くらいからじんわり立ち上がってくる蘭花香が魅力的で、三〜五煎目くらいに香りのピークを迎える
春茶らしさと香り高い秋茶らしさの両方を楽しめる優秀な茶葉です。
そして、今回もお得な飲み比べセットもご用意しておりますよ
販売は7月12日(金)21:00〜 を予定しております。