2024/04/26 20:13
今年の春節開けに浙江省を訪れました
緑茶の仕入れのシーズンではないのですが浙江省在住の茶人が獅峰龍井の農家さんを紹介してあげるとの事で仕入れの前に
”先に代金は払うから!これぞ!というやつは取っといて”と
事前に根回しするためでした。
そして、今月の頭から中国へ渡り目当ての茶葉を色々試飲してきました。
中国緑茶に関して結論から言うと
”よくわからなかった”というのが正直な感想です。
私自身、安徽省の舒城小蘭花や湖南省の古丈毛尖などの緑茶が好きで、私やスタッフが飲む用に会社にストックを常備しているのですが、飲む頻度や種類の多さを考えると、やっぱり圧倒的に烏龍茶や紅茶、白茶が多く、経験や知識としての中国緑茶体験はその他の茶葉と比べると圧倒的に少ないのが現状です。
経験が少ないなりに、私が”これは!”と思った茶葉を去年と同じように仕入れてみようかな?と考えては見たものの
下記で取り上げる、3つの仕入れを躊躇してしまう要因にぶち当たってしまったのでした。
理由① 緑茶ってそもそも高い
弊社の仕入れ値で1斤1000〜3000元位する緑茶をメインに試飲したのですが、正直言って
”値段はするけど、値段相応の感動は・・・” といった具合で、日本の市場用で販売した際にコストパフォーマンスが悪いと思われそうだな〜。と考え込んでしまいました。
理由② 高価な緑茶を飲もうとすると、緑茶を飲んでいるのか?文字を飲んでいるのか?わからなくなってしまった。
勿論、緑茶の試飲を続けると所謂、ブランド化された緑茶を飲むことになります。
その中でも”本物の”獅峰龍井などを試飲した際に ”感動” はあったのですが、ふと我に返ると
”獅峰龍井を飲んで、無理に感動しようとしている自分がいる” のがわかりました。
そんなんじゃ、我々のお客さまへ胸を張ってお勧めできない。と考えたのです。
③緑茶の仕入れの腕に自信がなかった。
これが一番の理由かもしれません。
江蘇省を訪れた際に、運良く洞庭碧螺春の明前茶を少しだけ仕入れる事ができるかもしれないチャンスに巡り合いました。
このチャンスは逃したくない!と、前のめりで試飲しました。
しかしです、明前の洞庭碧螺春よりも一個前に試飲した名もなき畑の碧螺春(機械殺青)のほうが香りが良く感じられてしまった。
勿論、卸価格も全然違う。
『あ〜やっぱり俺は中国緑茶の仕入れに向いてなのか・・・』と落胆していたのだが、ピコーンと一つの閃きが
▼スペックやネームバリューを無視して、私が美味い!と思った緑茶を仕入れれば良いんじゃね?
そうです、それができるのがバイヤー(茶商)の仕事
私は、バイヤーの仕事を放棄しかけていました。目が覚めました。
スペックやネームバリューで仕入れを決めるのは転売ヤーと一緒。
私はバイヤー。どうです?この茶葉美味しいと思いませんか?を提供するのが仕事。
頭を切り替えてからの決断は早かったです。
▼今回仕入れたのはこの4種
手工碧螺春 明前 太湖
碧螺春 明前 太湖
南京雨花茶 明前 江寧
雅安毛尖 明前 蒙頂山
美味しいし、何しろコスパも良い。
そして、緑茶ってやっぱり和スイーツとかにも合うよね?ってことで
去年と同じように、スイーツとペアリングありきの選択をしてみました。
明日のブログは、それぞれどの茶葉がどんなスイーツとペアリングに向いているのか?検証してみようと思います。