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2024/09/06 13:18

今、北海道から東京へ向かう飛行機の機内でこのブログを書いております。

北海道は食べ物も空気も自然も素晴らしいですが、北海道の人々が優しすぎて心が浄化されました。改めて、北海道が大好きになりました。ありがとう北海道。

▼天邪鬼で面倒くさい中年男性の思考


7月に販売した鳳凰単叢茶頭が一瞬(本当に一瞬)で完売しました

『あんなに沢山仕入れたのに!どうなってるの?!』と出張先のホテルでびっくりしたのを覚えております。

そして、茶頭が購入できなかったと再販の声を多数頂き

仕入れる量を間違えたなと(毎度毎度すみません)

と反省していると、これはもう一度美味しい茶頭の仕入れするべきだ!という謎の義務感が己のハートにメラメラと火を付けてしまいました。

そしてその日の内に、再販の約束宣言をXで投稿する流れになります

ー当時のXの投稿ー


・・・しかし、その日の夜、ベットの中で次の鳳凰単叢茶頭は何を仕入れるべきか?考えを巡らせていると

天邪鬼な性格が発動。めんどくさい男ですね。

いつもの悪い癖です。幼少期から変わりません、知能指数も変わらないまま頭カチコチの身体だけデカくなった40代中年男性へ変貌を遂げた私にとって、普通に茶頭を日本の中国茶ファンへお届けするのはなんか違う!とボタンの掛け違いのように、元々の約束からどんどん思考がかけ離れていきます。

”予想は裏切るけれども、期待は裏切らない”のがお前だろ?と悪魔の囁きが脳内をリフレイン

そして ”ピコーン!” とこれは!という茶葉の存在を思い出します

そうだ!今このタイミングで鳳凰単叢 二米を紹介しよう!


▼鳳凰単叢 ”二米” ってなに?

主に、大きく成長してしまった茶葉(黄片)がメインの茶葉です

炭焙煎が完了した後に検品の工程で弾かれた茶葉です。じゃあ、茶頭と同じじゃないの?と考える方も多いでしょう。

実際に茶頭と二米は違う物です

鳳凰単叢の製品は最終的に人の手で、枝や、割れた茶葉を選別するのですが

人力で行う最終検品の前に、コンピュータ(機械)で大きな葉(黄色片)を振り分ける工程があります。

機械で弾かれた茶葉の事を二米と呼びます。

機械は人の目よりも精度が低いので黄片しか取り除くことができません。細かい茎の部分や、判断が微妙な茶葉は機械で取り除くことができないので、最終工程はやはり人の手で行います。

それでも、人力検品する担当者の負担が減るので、人力検品の前に機械検品を行うのです。


▼コンピュータ(機械)が導入された背景


端的に言うと、生産効率を上げるためです。

一度に大量な茶葉の検品が可能になる為、人件費の圧縮につながる

それはつまり、小売価格の圧縮につながります。

品質を損なうことなく、機械化できる所は機械化する事は大変良いことだと私は考えます。

鳳凰単欉のお茶づくりにおいて、全て手作り、全て伝統製法が最適解であるとは考えにくいです。



▼二米の名前の由来を一緒に考えてみましょう。


鳳凰単叢の故郷である潮州では、茶葉の事を”茶米”と呼ぶ風習があります

潮州人にとって ”お茶はお米くらい重要な存在” 意味する言葉です

その”茶米”の”二番手の茶葉”という意味を込めて”二米”と呼ばれるようになったそうです

つまり”二米”はA品として出荷できないが、A品の2番手といった意味合いで使われていて

かなり乱暴な区分けになりますが

A品
二米
茶頭

といった、ランク付けがされています


▼茶頭と二米、何が違うの?


茶頭の場合、茎が多めなので茎の甘さも抽出され美味しい、翻って二米は

茎がが殆ど含まれておらず、茶葉の部分が殆どなので香り重視といった具合です

価格帯は、茶頭よりも二米の方が高いがA品の茶葉と比べると二米はかなり安い

茶葉と二米は共に煎持ちはしないが、若干、茶頭よりも二米の方が煎持ちする印象

鳳凰単欉は”香りが素晴らしい”の茶葉なので、私は個人的に茶頭よりも二米を推したい気持ちがある


※写真は鳳凰単叢 二米の試飲の様子

▼鳳凰単叢 二米との出会い


今年の春に鳳凰山の焙煎所を訪れた際に、袋に大量に入った茶頭を発見します。

茶頭の入った大袋をマジマジと覗いてみると、細かく分類されていることが解ります。

・香型
・茶葉が摘まれた畑
・収穫日

で細かく、分けられており上記の3項目以外でもさらに細かく

・茎メインの袋
・茎&茶葉混在の袋
・大きめの茶葉(黄片)メイン

の3種類の分類がされているのを発見します

製茶の合間に農家さんにそれぞれの茶頭の試飲を希望すると

茎メインの茶頭と、茎&茶葉の茶頭しか出されないので

『大きめの茶葉(黄片)メインの茶頭も試飲したい』旨を伝えると、農家さんが

『これは茶頭じゃない!二米だ!お前が茶頭を飲みたいと言うから、茶頭の試飲を続けていたのに、二米が飲みたかったら早く言ってよ』

沢山の二米の茶葉を出してきます。

二米なんてそもそも知らないし、聞いたこともない。俺が二米を知ってるわけ無いじゃん!と心のなかで叫びつつも二米の試飲を開始します

”確かに、香りの瞬発力は茶頭よりもある”

”むしろ、下手な鳳凰単叢よりもこっちのほうが上品で美味しいぞ”

価格的にお手頃だしこれは、手頃で美味しい鳳凰単叢として茶頭みたいに楽しめる

なにより、鳳凰単叢をいれる練習になる!これは仕入れるしかないぞ!

鳳凰単叢 二米を仕入れない理由がどこにもない。


▼とりあえず、鳳凰単叢 二米をググってみると日本語の情報は出てこない


もしかすると、ネットの宇宙の何処かに彷徨っているのかもしれないけれども見当たらない。

ネットの情報だけで断見するのはかなり危険で浅はかですが、恐らく二米を名乗った鳳凰単叢は日本発かもしれない・・・

これは、我々が大々的に鳳凰単叢 二米を日本のお茶ファンへ紹介する必要がある!と謎の使命感も湧いてきます

これが足蹴よく現地へ足を踏み入れる意義であり成果なのかもしれません