2024/02/14 18:53
雲南省を訪れてみて ~雲南省白茶編・前半~
▼農薬と肥料について
困鹿山の古樹エリアにさしかかると、農薬や使用が禁止されている肥料の持ち込みを阻む目的で検問所が設置されています。
一部の、指定有機肥料だけが持ち込みOKだそうですが、有機肥料でも多く使うと茶葉の品質に影響が出るとのことなので、使用量も各農家さんによって其々だそうです。
私の感想では他のエリアではわかりませんが、困鹿山の古樹エリアでは結構しっかりと管理されている印象を受けました。
※古樹エリアの入り口にある検問所。
▼極端な茶葉を探してみたい。
それでも、意地でなにかしら仕入れたい私は、妥協をするのかしないのか大きく揺れていました。
滇紅の仕入先は既に決まってるしな・・・ん?お前は白茶を忘れてないか?
そうだった!雲南省に来てからずっと生普洱茶しか勧められてないからすっかり忘れてました!
それから白茶を重点的に農家さんへリクエストします。
『私が望む白茶は”極端な味わいの白茶”です』と。
聞くところによると、白茶自体は昔から存在したが、白茶はここ数年雲南省で本格的に生産されるようになり少しずつ市場に出回ってきているようで、雲南産茶葉のメインストリームではない。
なので、クオリティも大雑把。しかし大雑把だからこそ極端な味わいの茶葉が生まれるのではないか?
そんなふうに、茶師さんと議論をしていると
『日本の兄弟よ、お前はなにか勘違いしてないか?』と言われ出されたのが
”原生態雲寿”
▼樹齢、スペックは一切無視の原生態雲寿
原生態雲寿を試飲をすると、普通に美味しい。少し若さを感じる爽やかさとしっかりとした余韻もある。フラワリーで、若干柑橘を連想させる香り。
煎持ちもするし、中国のホテルでよく見かける白茶のティーバッグに入っているようなチープな台地茶の味わいはまったくしない。
そして、なによりも雲南紅茶に似た甘い余韻が非常に好印象!
『これは樹齢、10年以下の台地茶で植樹の後は全く人の手を入れていない”原生態”茶葉だ。お前はチャノキの育成環境や樹齢とかスペック寄りの事ばかり気にするけど、この白茶、普通に美味しいだろ?』
『雲南省では、産地やチャノキの樹齢、チャノキの生育環境などが価格決定で大きな要素となる、だけど樹齢10年以下でもこんなに美味しい白茶がある事は、お前が言う”極端なお茶”なんじゃないか?』
私の脳天にエレクトロニクサンダーが落ち、紫外線で日焼けした農家さんの顔がニカ〜っとなった。
そして農家さんが一言
『雲南省の白茶も日々進化しているのだよ』と。
▼原生態雲寿を軸に雲南省の白茶を選ぶ
雲南省の白茶は以下の4種類の分かれるとされています。
以下、Teamadiaさまのブログを引用します。
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雲南大葉種白茶の種類
雲南大葉種白茶は原材料の違いと緊圧の有無によって、以下の4種類に分かれるとされています。
雲白毫 ・・・ 福建の白毫銀針に相当
90%以上の単芽と10%未満の一芽一葉初展を使用し萎凋、乾燥、揀剔(余分なものを取り除く作業)を経て製造された白茶製品。
月光白 ・・・ 福建の白牡丹に相当
一芽一葉、一芽二葉および少量の一芽三葉を原料とし、萎凋、乾燥、揀剔を経て製造された白茶製品。
原料の細かさで月光白一級と月光白二級に分けられ、一級は一芽一葉が90%以上、一芽二葉が10%未満のもの。
二級は一芽二葉が90%以上、一芽三葉が10%未満とされています。
雲寿 ・・・ 福建の寿眉に相当
一芽二葉、一芽三葉(これらで70%以上を占める)および同等の嫰度(茶葉の柔らかさ。30%未満の分量)の芽葉を原料とし、萎凋、乾燥、揀剔を経て製造された白茶製品。
雲南白茶緊圧茶 ・・・ 緊圧白茶に相当
雲南白茶散茶(雲白毫、月光白、雲寿)を原料とし、整理、拼配(ブレンド)、蒸圧定型、乾燥などの技法で製造された白茶製品。
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引用 https://www.teamedia.co.jp/blog_133/ (2021.12.01 第133回:雲南省産の大葉種白茶(月光白など)の定義が確定)
4種類を満遍なく試飲し茶樓雨香で販売すると考えると、しっかりとした甘味を感じることができる雲寿が良いと判断し
上記した原生態雲寿に追加して
・景邁山 古樹雲寿
・困鹿山 古樹雲寿
の仕入れを決めました。
ということで、今回雲南省の寧洱を訪れて仕入れた3種類の茶葉を販売することになりました。3種類どちらも2023年の春に摘まれた茶葉です。
【お得】雲南白茶3種飲み比べセット
https://shop.ukatea.com/items/83182001
『今年はお前も茶摘みに来いよ、その時また豚を一緒に潰そうな』と言われたので、今から既にビビっています。